さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

23歳彼氏なし

 

今日はコンプレックスの話をします。

下ネタ話がダメな人はここで閉じてね。

 

 

 

彼氏がいない。

生まれてこのかた、彼氏がいたことがない。

 男性に言い寄られたことも、ない。(あった!と思っても勘違いなんだと後からわかる)

 

私はこれは自分が「モテ」に寄らないからだ、そもそも「モテ」を意識していいのは可愛い子がやることだと長いこと思っておりました。(実際内心はめちゃくちゃモテたいのに)

 

20歳を過ぎたある日、母に「彼氏欲しいなあ〜」とそれこそぼんやりとしたニュアンスでぼやいたところ「まあ今まで出会いがなかっただけで、これからでしょ」と言われ、めちゃくちゃショックを受けたし、猛烈に腹が立った。

なんていうか「は?どついたろか、このババア」ぐらいの勢いだった。

 

なんでこんなにムカついたのか、その瞬間はわからなかったけれど、その言葉が効いてきて、じんわりとそのムカついた原因の輪郭が見え始めた。

 

私の母は活動家でフェミニズム的な考えが大好きで(そのくせ暮らしは夫の稼ぎからである)、地元で市役所の人と関わったりして、男女共同企画の講演会に、市長の後に挨拶なんかしてしまうような人である。

 

私が幼い頃にそういう考えに目覚めた母は「男はバカ」「男は何も考えていない」「男は女とやれたらいいだけ」「○○ちゃんはそんな人と付き合わないでね」と散々言われた。幼いわたしは、それが正しい考えだと思っていた。

 

だから結婚したくないし、男に食わしてもらう、という考えは恥じるべきことで、罪だ。ぐらいの時もあった。

 

高校生になる頃、クラスの子たちとカラオケに行く、という話になった。もちろんその中に男の子もいた。

誰とどこに遊びに行って何時に帰るか伝えないとばれた時や、遅く帰ると親が私を身体中に痣ができるまで殴られる、なんて普通のことだった私は素直に「クラスの子たちとカラオケに行きます」と母に伝えた。

母は眉間にしわを寄せ、妙な顔をして「男の子もいるの?」と聞いてきて「うん、いるよ。部活一緒の子。」と答えた。

母は怒鳴りさえしなかったが、「密室で危ないからやめておきなさい」と一言だけ言った。

 

この時私はすでに、フェミニスト的な観点として、という母の勝手な都合でカナダのどこかの有名な女医さんの性教育を受けていて、それこそゴムをつけない男に対して拒否権を行使していいことぐらい知っていたし、というよりも!そもそもそんな空気になるようなクラスの子ではない!!!とか色々言いたいことがあったんだけど、なんというか変な顔をする母が怖くて「わかった」と言ってその話を断った。

 

そんな妙な経験をぼやあっと抱えたまま、気づいたら大人になっていて、しかもそういう妙な経験を生み出した張本人が「出会いがなかっただけ」とかいうので、ムカついたんだな。

 

………と、理解してからも、モテに突っ走ろうにも、どうしてらいいかわからない。

 

モテる/男遊びのできるグループというのは大人になるとすでに出来上がっていて、私はそういうグループにはいなかった。ので、モテ方がわからない。

 

そんなタイミングで転機が訪れたのは、今の職場の店長。

前記事でも触れているが、普段はそこまで男のランクとかについて話す人でもないし、あと男女ともに対応は変わらない。

好きな人の前でぶりっ子はするけど、合コンではやらずにデートではやる、ってな感じの人。

 

そんな男女問わずモテる店長ですが、謎のこだわりが発動する時があるため、時折ついていけない男の人もいるらしい。「結婚の話を進めていたがどうしても折り合いがつかず彼氏と別れたから、出会いの場を作るために相席居酒屋に行くぞ」と言われた。なんていうか強烈である。

ああいうところは、ワンチャン勢の方が多そうなので、結婚的な意味合いを持つ出会いとしては微妙なのでは?と思いつつ、人間観察のつもりで誘われたらついていく、というスタンスにして、何度か足を運んだ。

 

3回目ぐらいの相席屋居酒屋にて。

ひとり、連絡先を交換した男の人から、ラインが来た。人当たりの良さそうな営業マンで、周りにいる人のガツガツ具合とは全然違うし、あと店長ばっかり見る人が多い中、話を振ってくれる気の遣える人だったのでよく覚えていた。

(顔面の可愛さで基本的に店長が全部持っていくのである)

 

気づいたらラインでは向こうの話のペースに乗せられていて、(そーいやお客さんが営業マンだと普段の接客できないよな…)とか仕事が頭によぎったりしつつも、嫌ではないので返し続ける。

 

「彼氏はいないの?」「何年ぐらい?」とか当たり障りのない言葉が、コンプレックスや親にムカついていた自分をグサグサ突き刺してくるので、つ、つれえ……と半ば半泣きにもなりながら、23年間いてないことを、嘘ついて2.3年ぐらいと遊び心で点をつけて返事をした。

 

向こうから「長いこといてなかったら性欲溜まらない?俺とやろうよ」と言われたのは割と早い段階だった。

 

正直に言うと、びっくりしたけど笑った

 

大笑いである。仕事終わりに携帯開いて吹き出した。こういうことってもっと下心を隠して、気づいたらホテルに!とかじゃねえのかよ!とか思った。むしろどストレートすぎて、この人断られることとか怖くないんだな、ああ慣れてるんだな、と思ったらどことなく納得がいった。あの時の謎の潔癖な空気感は慣れてるが故に出せるものなんだな、と思ったし、とんでもねえのに引っかかったな。と思った。

 

私が男性を見る目がないのは、友人間でネタになるレベルのものだが、これはもう体を消費してネタにしていくぞ!と、いう、あまり良くない承認欲求の方の気持ちが湧いてきてしまったし、私自身も彼氏がいないながらにそういうエロいことに興味もあったので、うまいこと返事をして、ホテルに行く約束を取り付けた。

 

 

当日。

待ち合わせ場所についたら、どわっと汗が噴き出してきた。緊張からである。え、てか直行な感じっぽいけどどーなん、なにすんの、処女だとか言ってねーよ、彼氏いたことないとかはさすがに言えねーよ、タイミングなかったってことにするか…?と頭の中がめっちゃ忙しかった。

 

そんなこんなしてるうちに、仕事を終えた向こうから「今どのへん?」と電話が来て(そうだこの人声めっちゃかっこよかったんだよな…)とか思いつつ、待ち合わせ場所で合流して、ホテルに直行することになった。

 

ホテルまでの道のりでは、たわいもない会話した。仕事がどーだとかそんなこと。あ、そういやホテル街とか通ってもわざと見ないようにしてたな、ネオンがギラついてるぞ〜!!!!!!!とか思ってキョロキョロしてたら「こういうとこ、もしかして慣れてない?」って聞かれた。すげえな!めっちゃ勘づくじゃん!てか、てめーが慣れすぎだよ!と突っ込みたさ満載だったが、見栄を張ってあんまり来ないと言った。あんまりどころか全然来ない。なんかカップルと目があうと気まずくて、ライブハウスに向かう道のりのホテルさえなかったことにしがち。

 

ホテルについて、処女だということを話したら、向こうが「嘘ついてない!?」と言った。 私そこまでひどいように見えてないんだな、とまた悪い方の承認欲求が満たされてしまった。

 

「ん〜じゃあとりあえずゆっくりするしかないなあ」と言われて、あら、するのはするんですね?とかここまで来てビビってしまっている私の腰に向こうの手が回ってきた瞬間に、母の顔がちらついた。

 

私に潔癖であることを押し付けた母。

私の胸が大きいことを小学生男子並みの語彙力でからかう母。

私に結婚はしなくていいよ、と自分の考えを押し付けた母。

火遊びなんかしないもんね、悪い方向に流されないよね、友達みんないい子ばっかりだしね、となにも見えていない目でわたしを見ていた母。

痩せていなくてもいいよ、という割には太っている人を聞くに堪えない言葉で罵しる母。

家族だから、と精神的だけではなく、身体的にもスペースの近い母。

 

そんな母がわたしに触れるのは大嫌いだし気持ち悪いのに、この人だと怖くない、と思ったら泣きそうになってしまって、「どしたん、変な顔!(笑)」と笑われてしまった。「怖い?やめとこうか?」と確認までされた。

 

母はどれだけわたしに触れないで、わたしのスペースに入らないで、と言ったところでずかずかとスペースを詰めてくるのに、この人は確認してくるんだ……、やろうよ、って口に出すのに確認してくるんだ(それも所謂テクニック、の1つかもしれないが)と思ったらおもしろおかしくなってきて、一思いに最後まで事を終えてしまった。

 

感想としては「なんでこんな面白くて楽しいことみんな内緒にしてるんだよ!!!!!!!!!!」と覚醒してしまって、出会ったその人がセフレになってしまった。

 

23歳。それでもまだ彼氏がいない。

 

 

母にはなにくわぬ顔で接している。そしてあんなに男はやりたいだけ、と罵っていた男性という性を抱えた者に娘が抱かれたことに気づいてないまま、未だにわたしの身体を小学生男子並みの語彙力でからかってくる。何も見てないのは相変わらずである。

 

店長には、この間「どうなった?」と聞かれた。

不意打ちすぎて思いっきり動揺してしまって黙っていられなくて口に出していた。

店長は「処女がコンプレックスになってたのなら、それでいいと思うけど、これが恋愛だと思っちゃだめだよ!」と言われた。

まさか「セックスしよう!」「ええで!」と返事したとは言えなくて「はーい」と取り繕っておいた。

 あと「あいつチャラそうと思ってたんだよな……」と言われて、自分の見る目のなさが確信に変わった。

 

確かにいいな、と思ってた人ではありますし「流されてやっちゃって大丈夫…?」というご意見も友人からちらほら頂戴しましたが「流された」的な意識は私の中には全くなくて、それこそお互い同意の上で事が進んでいます。

 

一度会えなくて「もしかしたらこれは好きになってるのかもしれない…」と思ったりもしましたが、次会った時にめちゃくちゃスッキリしたので「なーんだ私溜まってただけじゃんてへぺろ☆」で話が終わりました。

人より性欲が強いみたいだとは思ってましたが、マジで強かったみたい。

  

しっかしここ最近は、楽しい性生活を送ってしまっているせいで、ジャニーズごとが全く頭に入ってこないし、小瀧くんを見るたびに知り合いでもないのに申し訳ない気持ちになる、面倒くさい自分がいます。

小瀧くんごめんな。(小瀧くんの返答は多分全力の知らんがなだと思う)

 

あ、クリスマスは百貨店の店員に休みなどないので、皆様のジャニーズWESTドームレポ、楽しみにしています。

 

みんな絶対興味のない他人の性生活の話でごめんな!!!!!!!でも!!!!!!結構いまはっぴねすやで!!!!!!!!コミニュケーションの取れるセックスサイコー!!!!!!

 

 

 

おしまい。