さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

切った

 

 

髪の毛を切った

 

モテるために、世間と馴染むために伸ばし始めた髪の毛を切った。

 

髪の毛を伸ばし始めたのはもう2年ぐらい前で、二年間のうちに背中の真ん中ぐらいにまで髪の毛があるロングヘアーを2回ほど経験したぐらいには、長かった。

 

ロングかわいい!と言われて、褒めてくれる気持ちは嬉しいけど、わたしの中ではずーっと思ってるロングヘアーのお姉さんではなくて、しっくり来ないし、きれいに保つ時間もお金もないから、結構ずっとボサボサのままだった。

 

切ろうと思ったきっかけは二つ。仲のいい友達がバッサリと髪の毛を切ってシャンプー楽!髪の毛乾かすの楽!と言ってるのをみたのと、

あとロングにしてもモテなかったし、世間と馴染めてる感じがしなかったから。

 

美容師さんに「髪の毛を切ります」と言ったら、伸ばしてみたら似合ってたのにもったいない!という感じで美容師さんは止めに入って(割と勝手に髪の毛を切る人なのに止められたのは本当に似合ってたんだと思う)

でも写真を見せたら「あ、こんな感じのボブならきっと似合うね、じゃあ切っちゃお!」とバサバサと切り始めてくれた。

 

実際世間に馴染めていなかったわけじゃないと思う。

というかずっと馴染んでないと思っていただけで、そんなことはなかったんだと思う。

 

だけどずっとわたしの思うロングヘアーの落ち着いた綺麗なお姉さん、ではなかったし、

そのお姉さんに必要なかっこいい男性もついてこなかった。

 

そういや、ブログを書いていない間に彼氏が一人だけ出来た。

ナンパで声をかけられて、どうにでもなっちゃえーと付き合った。

38歳。年の割には若く見えて、そこそこかっこよかったと思う。

ただ、赤西くんのライブに行かないでほしい、と言われた。話をしようと思ったその日にアルコールを飲んで現れて、いしだ壱成みたいに若い子を捕まえられる人生が羨ましいと言われた。いしだ壱成もアルコールも悪いわけじゃない。

でも、もうダメだと思った。

 

髪の毛を切るきっかけは二つって書いたけどもう一つ。

こんな変な人に捕まりたくない、強く見える髪型にしたい、とも思った。

 

髪の毛を切ってもらってる最中に、美容師さんがここ最近見に行った写真展の話をしていたら「そういや今年いくつになるんだっけ?」と聞かれた。

 

「今年25歳です」

「あら、じゃあ自分の顔になるまであと5年あるわね!」

 

62歳になる美容師さん曰く、30歳過ぎたら本当に自分の顔が今までと変わってみえたらしい。

 

ここ最近自分の顔が意地悪に、そして疲れて見えることがたくさんあった。

母がよく「我慢してる人は意地悪」という言葉を口にしているんだけど、何を我慢してるのかわからなかった。

でも、髪の毛を切った後の自分の顔を見て、他人が良いと思う箱に入れられていたことが、

我慢だったんだな、と腑に落ちた。

 

髪の毛を切ってから困ったことといえば、朝の準備にプラス5分かかることぐらいで、それ以外は化粧も楽しいし夏服は何を買おうかな?とずーっと、本当にずーっと考えている。

しかも「これ買ったらモテるかなあ」「可愛く見えるかなあ」じゃなくて

「うわー!!!これめっちゃかわいいし探してたやつ!サイコーじゃん!」って感じのテンションで。

ちなみに今まで買った服は半分ぐらいは似合わなくなったので、もったいないな、と気持ちはある。

でも意地悪な顔のまま生きるのも嫌だ。

 

 

世間一般にわたしの顔も雰囲気もめちゃめちゃにかわいいわけじゃない。誰が見てもかわいい!と振り向くような人間じゃない。

だけどようやく、自分から自分に対して、かわいい!と言ってあげられるようになった。髪の毛切って一週間も経たないうちにこれだ。

我慢って本当に毒だなって思った。

 

ちなみに今日はNARSで限定の口紅を買った。

店員さんが「普段から暗いお色が好きなんですか?」と聞かれるぐらい暗い紫。

 

正直これもめちゃめちゃに似合ってると思う。

わたしの人生史上今んとこ1番サイコーにかわいいわたし、30すぎたらどんな顔になってるのかな

気が変わって、髪の毛また伸ばしてても面白いね。

でも、次伸ばす時は自分のために伸ばすと思う。