さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

ホームの酔っ払い

 

 

電車から降りたら「しっかりして〜」「名前なんていうの?大丈夫?立てる?」と大きめの声が聞こえて、声をかけられている主は明らかに泥酔しきった女の子だった。

 

大騒ぎして泣くわけではないが明らかに泣いていて、とにかく意識があるならこっちに、とベンチに移動させようとする人の手を振りほどいて地べたに頭を擦り付ける。

女の子2人が「大丈夫?誰かに電話しようか?」と多分その泣いている女の子の電話のロックをなぜかうまく解除しており、誰にかければいい?とひたすら聞いていた。

 

いやとりあえず誰か駅員さん呼んでないの?と改札口まで走る最中に、声をかける人になったことはないけどとにかく駅員さんを呼ぶ人間にはなったなあと思いながら改札口につながる階段を駆け上っていた。

 

 

駅員さんは話は早くて、ありがとうございます!との返事とともにすぐにホームに向かってくれたので、お願いしますと私も一礼をして、改札を出た。

 

駅のホームが外から丸見えのタイプの田舎の駅なんだけど、ホームには応援の駅員さんも登場していて、ああもう大丈夫だなと思った。

 

でも、何が大丈夫なのかよくわからなかった。

別にこれは私が誰かを助けた話をしたかったのではなくて、もし彼女が私のようにめちゃめちゃに死にたい人間で今日の飲み会でもう死ぬことを決心した知り合いと別れたとしたら?

 

 

あんなにいろんな人の手を振り回して振りほどいて泣いていたのである。

 

いや。きっとただ泣く癖のある女の子なだけだ。でも、でもでもなんていうかもう考えるよな〜〜〜〜〜〜〜〜と自転車をこぎながら帰った。

 

こんなに死にたいのに、人が生命の危機にさらされるとどうにかしなきゃと思う。ほっといたら誰かが助けてくれるだろうが昔から苦手である。

 

正義感が強い責任感が強い、基本的には褒め言葉だけどたまにバカにされて私に突き刺さることもたくさんあった。

 

彼女がただ本当に飲み方を間違えただけだといいな。今日はゆっくり病院のベッドで休んで、明日ぐらいインスタのストーリーに「やらかした(涙)」みたいな投稿をしていてほしいな

 

 

めちゃめちゃ勝手だけど、いきていてほしいなあと思ってしまった

 

よっぱらいの文章終わり