さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

あとどれくらい 生きられるんだろう?

 

 

 

「すみません、このサブレ9つで」

「かしこまりました。2575円です。」

 

3075円をカルトンに乗せる。

気づけば見送られる側の人間になっていた。

 

 

 

なにをしても長続きしなかった。

アルバイト、一番長く続いたのは一年半。長いか短いはきっと人による。飲食店で一年も続くのは長い方だろうという人もいれば、それは学生時代だったからだ、という人もいる。

 

どうしても自分のお金で生活したかった。

推しへ使うお金も、飲み会のお金も、毎月気にせず使ってみたかった。

アルバイトだけど、ちゃんと自分で生活費を支払うために、今の会社に飛び込んだ。

 

気づいたらもう5年目になっていた。あっという間だった。長いよね、って言われるけど、私的には全然で、ようやくスタート地点に立った感じすらする。

 

異動を言い渡されたのはちょうど先月の頭。

仕事はやめたかったけど、やめたい理由は今の人間関係で、きっと次チャレンジしてからでも辞めるのは遅くないと思って、二つ返事で引き受けた。

 

移動が決まってからバリバリ働いた。

去り際に今の売り場が予算行かなかったなんて、私的には許せなかった。

頑張ってるのをみて、みんなも一緒に頑張ってくれた。

売り場に残る人たちに、異動になったことを伝えたらみんな応援しますって言いながら行かないでって泣かれてしまった。

いつのまにか見送られる側の人間になっていた。

泣かれるレベルの人間になっていた、そんなことは知らなかった。

 

餞別はお菓子と別に、みんなコスメとかが好きなので顔のパックを買ってみた。6000円近く餞別にかかっていて、びっくりした。

 

見送るために500円を集める側じゃなくて、気づいたらみんなが喜んでくれるのかなと一人でたくさんのお菓子を買う人間になっていた。

 

財布的には痛いけど、まあみんな喜んでくれたらそれでいいか。

あと1週間、頑張ろうと思う。