さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

この物語はフィクションです

 

 

どこにでもいるよくある話だと思う

 

依存しないためにたくさんの人と体を重ねて、初めて付き合った相手がクズだったのでわかれて、やっぱり寂しくなりたくなくて、よくわからない後腐れがない人と体を重ねる

 

ふやふやと相手の輪郭がぼやけるとき、私の輪郭も確実にぼやけていて、感覚はあるのに魂はそこにないみたいになる

ずっとずっと正解がよくわからない

この人とキスが合わないなとか

この人としたくないなとか

正常位の時に足を持ち上げる人はあまり好きじゃないとか

 

そういうしょうもない破片だけ拾い集めた感覚だけはどんどん鋭くなっていくのに、自分がどうしたいかどうなりたいかどんな人が好きか全然わからない

 

元彼に別れ間際に「君は顔がそこそこ良くて、自分に優しくて、せっくすがうまい男だったら誰でもいいんだろ」と言われた。元彼がその行為がうまかったどうかとか全然わからないし、どちらかと言えば体を重ねれば重ねるほどとても窮屈だったことだけはとても覚えている

何回も何回も何回も行為中に愛してると言ってくれと懇願されたけど、私は最後までその言葉を自発的に発することができなかった、きっとなにもかも好きじゃなかった

 

元彼が私に言った、顔が良くて自分に優しい男なら誰でもいい、はわりと良くあってると思う

だって実際そういう人と体を重ねてきたし

だから私のことを好きだと、元彼が言ったので一緒にいようと思ったし、一人暮らしの人を選んだのも私が逃げれるところがある人を選んだ

何もかも許してくれるであろうと思って付き合った、だって私のこと好きだっていうから、私も多少好きだなと思ったから、多分大丈夫だろう、に賭けた

 

私は、彼も、今まで私に可愛いとその時だけ言ってきた人のことも、きっと全然好きじゃなかった、絶対全然好きじゃなかった。

 

だって好きかも?と思い込めば好きなんだから、そうやって好きになれるんだから、脳みそは騙されやすいなんていうけど、本当に本当に騙されやすいなと思う

 

今、好きだなと思う人ができた

 

だけどこれだって脳みその錯覚だ

この間一ヶ月ぶりに会うことがあって、久々に会えて嬉しかったのを好きだなと勘違いしているのだ

私がそう思いこんでるから好きなだけ

 

推しだってそう、この人がいいなって思うから好き、彼氏だってそう、たまたまお互いいいなと思ったから付き合った

 

元彼には我慢の連続だったと言われて、よく考えたら推しごとも我慢の連続なのに好きだけで耐えれるもんな、ってそのことを言われた時に思った

口に出したら世界が凍るので黙っていたけど、空気の読めない私にしてはよくがんばったほうだと思う

 

話が逸れたけど、実際しばらくしたら今好きな人には、色々あって会えなくなるので、その会えなくなる日が早くきて欲しい

‪周りには踏み込めばいいじゃん!とか、やるだけやっちゃえ!とか、言われているが、はやくはやくはやく会えなくなりたい

会えばしんどくなる、連絡を取ればしんどくなる

だからそっとなにも見ないようにするのが一番いい

連絡くればしんどくなるから、ラインの通知を切ってトークを非表示にしているのは、あまりにも面白すぎるのだけど、それぐらい好き!と思うことがすでにものすごく精神をすり減らしている感じがある

 

もう誰かのことを好きになるのは疲れたし、

もう誰のことも好きになりたくない

 

それは普段関わる人もそうだし

新しい推しとかだってもう見つけたくない

 

人と関わるのは疲れる

こうやって文章を書いて、好きじゃないって頭を冷やそうとしないと、浮かれてしまうんだから、人のことは好きになりたくない

 

でもどうやっても素敵な恋愛関係!に憧れる自分がいて反吐が出るし、カップルの仲良しアカウント!みたいなのを見て羨ましくてよく泣いてしまう、クリスマスが近づくたびになんとなく浮かれてる人を見て消えたくなる、寂しくなりたくなくて体を重ねることだけしかできない、よくわかんない人と体を重ねれば重ねるほど自分のことをなんとなくどこかで汚いなあって思う自分もある

 

知らない人とするのは平気だ、私も本当のことを言わなくていいし、深く関わらなくていいし、好きにならなくていい、相手が本当のことを言っているか考えなくていい

私だっていくらでも嘘がつけるんだから

 

よくある話よくある人生、私だけがなんだかすごく自分の人生を大げさに捉えている気がする