さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

死んでいる方がマシさ

 

昔から、人より少し要領が良く、理解力があった

得意なのは始業式の後にもらった国語の教科書に目を通すことで

苦手なのはその後みんな揃って授業や行動をする一年間

通知表の座学分野にはよくできましたに丸が並ぶ

体育の集団行動のところは頑張りましょうに丸が並んだ

 

人より少しよくできる分、評価をする側から褒められた

その分、評価をされる側の人から反感を買いやすい

一度失敗すれば袋叩きになって

そこに私の場所はなくなる

学校でも仕事場でも友達関係だってそうだった

一回の失敗が命取りになる

 

セフレにはよく「他の子と同じでいいからそばに置いてほしい」と懇願した

テストで一番は取れても、誰かの一番になることができなかった

さらに言えばその他大勢にもなれなかった

彼らの中で私はワーストワンだった

返ってくる言葉は「いい子なんだから俺に依存しないで」だった

だいすきだったひととさよならする時に言われた言葉は「頑張り屋さんなんだから無理だけはしないで」だった

彼が私にくれたのもワーストワンだった

 

テストで100点だって何回もとった 会社の社員採用のテストも一番だった 努力せずに100点が取れた だけどコミュニケーションの正解はずっとわからない アルバイト先の人とご飯なんてどうやっていくんだろう

コミュニケーションの上手な子の猿真似をすることだけ覚えた いい子いい人を演じていただけで、本当は何が正解かずっとわからない

他人からたくさん優しいと言われた私は多分悪魔か何かだと思う

 

テストで一番は勝手に取れるから、みんなと一緒にクレープを食べにいく人生がよかった

みんなができていることが私にはできない

いつだって私の横で誰かに選ばれて誰かの一番になる子は手の抜きどころがわかっていて、他の子と合わせられる子だった

それがわからないからひたすら机に向かって勉強する

 

そんな夢を強く見る日が続くときは

何度目かの服薬かわからないままたくさんの薬とお酒を飲む

 

頼って欲しいと何度言われても頼りかたがわからない 喋ったところで救われないし私は誰の一番にもなれないのに吐き出す意味がどうしてもわからない そこだけは心底理解力が悪かった

 

すぐに死にたくなってしまうのは

朦朧としてる間は何も考えなくて済むから

悲しいことも嬉しいこともこの間のこともこれからのことも

何も何も何も何も考えないままぐっすり眠りにつく

 

起きた時の着信とラインに何度肝が冷えたかわからない

関西で自殺未遂のニュースが流れるたびに、生きてるよ〜とツイートする惨めさ

もうそろそろみんなの中で「死にたいけど死なない人間」だと思われている

もう次はない 失敗できない 必ずきちんと死ななくちゃ

 

震えながら薬を飲む

 

死ぬことすらうまくいかない

飛び降りようとした時に「生かされたと思って諦めてください」と言われたけど、いまだに諦めきれない

 

かみさまはいつ私を死んでいい人間と評価してくれるんだろう

かみさまが私を評価して連れて行ってくれるのなら地獄なんだろうか

 

いくら願ってもわからない

わからないからこんなところで独り言のように書き綴っている