さよならの死

冷たく光る太陽のようだ

頬ずりキスをして手を繋ぐように

 

彼氏が、私の背中のむだ毛を剃ってくれて

愛だなあと思った

 

私が思う「あ、この人ダメだ」みたいなのが全然なくて、こんなに正しい人はこんなに間違いまくってる私のどこがすきなんだろうとよく思う、それでも何度も何度も好きをまっすぐ口にして伝えてくれて、溺れそうになる

 

 

この間実家に帰ったら、自分の親の詮索具合にすごく嫌になってしまって、うまく息ができなくなって、謎の頭痛と腹痛に悩まされて彼氏の家に戻ることにした

 

母は私が寝込んでしまったのを「他人の家にいる緊張がほぐれたのだろう」と言ったけど、本当にこの人は今まで自分が私に何をしてきたか忘れてよく言えるなあと思うし、そもそも他人と1日だってまともに過ごせない私が10日以上連絡もせず帰らずの時点で少し察して欲しかった

しかも急遽帰ると言ったらものすごく引き止めてきて、その引き止め方が素直に寂しいから帰らないで!と言われたらいいものを「彼氏にご飯作らなきゃいけないの?おねつー」とか、そんなこと今時高校生でも言わないよ、みたいなからかい方で引き止めてきてものすごくうんざりした

 

彼氏の家に戻ったら、頭痛薬をいくら飲んでも効かなかった頭痛がすぅっと文字通り軽くなるのがわかった

 

彼氏もちょうど実家に帰っていて、そういや泊まるって言ってたな、一人だけどあの家にいるよりうんといいなあとのんびりしていたら、チャイムが鳴った

 

玄関を開けたら彼氏が立っていて、ものすごくびっくりした。

サプライズ好きやねんと言いながらにこにこしている彼氏に安心して、泣きたかったけどめちゃくちゃ笑うことにした

喜んでる顔が見れてよかった、とまた彼氏が喜んでくれたので、笑うことにして良かったと思った

 

自分が好きな人が、自分自身のことを考えていてくれることがすごく嬉しくてほっとする

 

ただその反面、この愛情がずっと枯渇しないものだって勘違いしてしまうのがめちゃくちゃ怖い

相手の愛情をどうして?もっともっとって欲しがってしまえばすぐに枯れてしまうかもと思うと素直に受け取るのがすごく恥ずかしくなってしまう。割と毎日その感情の堂々巡りで頭を使っている

 

そもそも友人関係ではない「愛情」として好きとかそう言うのこんなにストレートに受け取ることなかったなあとかも思う

 

いつだって私の親子関係の愛情には利害があって、私は親の言うことを聞く良い子でなくちゃいけなくて、親はその私から与えられる良い子の親の称号で仕事をしていた(今もだけど)

私が悪い子でもこの人は愛してくれるかなあ、親でもないのになあとか頻繁に考えてしまう

 

 

そんなことを考えていたら背中の毛を剃ったあとに、「あ、とれた」と背中の角栓まで取ってくれたので、小難しいこと考えるのはやめた

愛されてるなあ

 

ちなみに私は彼氏の髭を抜こうとしてほぼ毎日怒られている